発達の道筋

3号=1歳9ヶ月が、

両手に 合わせて3台のミニカーを持っている。

すでに いじくりすぎてタイヤはなく、ぼろぼろに壊れている。

机の上に、ミニカーを並べ、ミニでない大き目の車や、
4本足で立つヒツジの置物まで ずらっと1方向に並べている。

あ〜これ、兄ちゃんもやってた…


「ミニカーをずらっと並べる」というのは、自閉症児の男の子を持つお母さんには合言葉のような行動だと思う。
1号(自閉症あり)も、3歳か4さいころ、(下手すると今でも、)
ミニカーを、大きさ順やらなにやらの法則にしたがって、ずらっと並べるのがすきだ。
(しかし部屋の片付けはしない)

アメリカにいたときは、駐車場が、斜め駐車方式が多かったので、
カレも斜めの等角度にずらっと並べたものだ。

周りに興味が薄いカレでも、ふーん、そういう好きなとこは見てるんだと思った。



3号については、本当に、今の段階で発達に疑問があるわけではなく、
ただ、ある行動を切り取ったときに、
「あっ、これって、自閉症のこがよくやるよね」
と思うのがたまにある。

排水溝を覗いたり、そこに石を落としたり。

ただ、その行動が、一日中何時間も没頭だとか、させないとなき狂うとか、
そればっかり何年もやる、ということはない。

あーやってるな…と思うくらいで、来週か、来月にはたぶんもうやってない。


2歳のとき、1号をみた人が、

「こんなに ひとつのおもちゃに何時間も集中できるなんて、
こんな子はじめてみたわ、
きっと、大物になるわよ。」

といってくださったことがある。

わたしはその人に散々、「どこかがおかしい」「おとなしいんだけど、手が要らないし、扱いやすいんだけど、何かの拍子にとっても難しい」

と訴えたのだけど。それを慰めてそういってもらったのかどうかもわからない。

先日、同じ人のお宅にお邪魔して、
やっぱり3も、同じおもちゃにじっくりと取り組んでいたので、
「お兄ちゃんを思い出すわね」といわれた。


何が?どう?おかしい、と言うのは、自閉症がある子と、ない子の、両方を持っていても、
説明がとても難しい。

「お兄ちゃん、どこか悪いの?」と聞かれて「悪いわけじゃないですがこんなです」と説明してると、
「あら、うちののこもそんなよ。相談に行くべきかしら」といわれることが多いし。
が、お兄ちゃんは(当時)10歳、そのお子さんは3歳だったりするのだ。
「3歳では、いいことでも、10歳でもそのままだったら問題なんですよね」
と答えるしかない。
もちろん、何か困難があるとき、相談に行くかどうかは 子ども次第、親の心配しだいと私は思う。

発達障害が ある子もない子も、同じような行動は、するし、発達の速さやでこぼこ具合には 個人差があるし。

ただ、おやつをやるときも、1には、「お手てをお皿の形にしてね」「こんなふうに」

「お手てって何」、「おさらって何、」ということからはじめなくてはならなかったのに、

3は、おやつの形状を見るなり、こぼれる種類のものだと思うと、
何もいわずとも、
手をすくう形にするし、

自販機にお金を入れたいときも、
言葉は出ずとも、
(おれは)(そのジュースくれ)(だからおかねくれ)(お金はそのかばんにあるでしょ)
というしぐさをする。

駄目よというと 怒りつつもあきらめるし、

自販機でも、たてにお金を入れるもの、横に入れるもの、1枚のお金ですぐに動くもの、二枚入れないと動かないの、いろいろあるのに、
かんしゃくを起こさずに、
なんとなく 教えられずに お金の向きを見たりやっている。

ずらっと並べたミニカーの時期も、あっと言う間に過ぎてしまうんだろう。