昨日、1号が、「キャベツのサラダが食べたい」と言い出し、
自分でキャベツの千切りをわしわし食べた。
「キャベツのうまたれ」という商品(しょうゆ、酢、だし、レモン風味のおいしい調味料)というコマーシャルが好きになって キャベツがおいしそうに見えたらしい。
自分から「たべてみたい」と言い出したときは、彼は100%それが好物になる。
キャベツは最後の牙城といっていい。
あ〜こういう日が来るなんて信じられない。
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彼は、幼稚園の給食を一切食べなかった。
実家にとまりに行くと父が怒鳴る。
「こいつは何食って生きてるんだ!野菜食わせろ!」
1号は怒鳴る父ごと野菜もさらに苦手になってしまうのだった。
野菜が嫌い+無理強いされるのが嫌い+大声が嫌い、の3重奏だ。
どこに行っても、ひどい偏食する子とそれを許す親、と、「親子ともども、わがまま者」というレッテルを頂戴したわけだが。
食べられないというだけでも気が重いのに、
「たべなさい!」が どれだけまずくするか。
おいしいと思う人が、「うまい!」と食べていればいいのだ。
フランスに旅行したときは、食べられるものがなく、1号は 4日何も食べなかった。
とにかく、自分も偏食大王である私としては、
1、いやなものは無理強いしない、
2、だまして食べさせることは一切しない(私自身が信頼されなくなるのがイヤだった)
3、「嫌いなものを残して、別のものはおかわり」は、できない
4、よそでは、食べられないものは事前に「すみません、これはいらないです」言わせる
という方針で
(「現在ひどい偏食ですが、家では、ゆっくりですが、食べられるものを増やす方向で努力しています。障害由来の偏食なので、できたら学校でも無理強いしないで下さるとありがたいですが、ほかのお子さんとの指導の兼ね合いもあると思いますので先生の裁量で。」と伝えはしたが、各先生それぞれの考え方に従った)
2年生くらいまで、半分以上のメニューに手をつけなかったらしいが、
「今日は全部食べた」という日が年に何回かあり、
それでも「週に一個でも、おいしいと思うものが増えたら、1年では50個増えますからいいんです」と先生に言い続けた。
食べられるものが増えるきっかけは、
「おでんくん」などのアニメ
コマーシャル
だんなの食事をみて、「おいしそう、分けて」と自分で頼むとき
外食で みんながそれぞればらばらのものを頼んだりして 味見する。
給食のメニューは事前にチェックし、材料を見ては、「これとこれは大丈夫、こっちは減らしてついでもらうように頼む。」と心積もりしていた。
とにかく、
彼が安心できる状況で
彼が自ら望んで
でしか 食べるものは増えなかった。
無理強いがきっかけで好物になったものは無かった。
ただし、「先生や友達がすすめてくれたから一口は食べたよ」ということもかなりあったみたいで、「絶対イヤです!」といっていた頑固さが弱まる助けになってくださったことはありがたい。
最近は、よほどダメなもの以外は、ほとんど全部食べているらしい。
同じように自閉症のお子さんをもつかたから、「偏食は心配しなくて大丈夫!
おなかがすいてどうしようもない時期が来たら、トン汁でも喜んで食べるようになるから!」
とのアドバイスをいただき、パーッと目の前が明るくなった。
(本当に1にも、そんなときがくるんだろうか。トン汁、みんなでおいしいと食べたいなあ。)と楽しみに思っていた。
(その日は本当にやってきた)
ので、先日、低学年の自閉症のお子さんがいるお母さんにも、
このアドバイスをそのまま 伝えたのだった。
(食べること自体が好きでない人はいると思う、それはそれで、本人の自由だと思うのだ。私もずっとそうだったし、食べないなら太りすぎの心配はしなくてすむという特典もある。)