三つ子の灯油


1号は用心深く置物のようにおとなしく、

二号は荒らしまわる子だったので、

私は手を焼いていた。

どこだったか忘れたけど、観光地で、

多分 せっかく女の子が生まれたということで、よちよちの二号と一緒に、
ふるいお雛様を見に行ってたんだけど

そこでもお雛様お構いなく歩き回るので

手を焼いていたら

知らない奥様が

「うちの孫と同じくらいかしらね」
と話しかけてこられた。

「とにかく悪くて、目がはなせません、女の子なんですけどね」と答えたら


「それくらいで悪いとは言わないわ…

うちの孫は三つ子なの。

こないだ、3人で、家中にストーブの灯油をまいていて…

3人集まると、そりゃあ もう 手がつけられないの!」



私は時折、この三つ子たちが 2号と同じく、悪さも治まって、大きくなってるんだろうなあと思い出す。