1号が周りを変えていく

1号が生まれたとき、どっちの実家に行っても、そりゃあ ちやほやされました。

田舎の、長男坊の、初めての子だし、それが男の子。

私の実家にとっても初孫で、うちの家系は男の子が少ないので
なおさら珍しがられて、、、。

だんなのお母さんの実家のそのまた親戚の、、、とかにまでつれられて、
見せに行きました。
もちろん、わたしの父の実家のそのまた親戚、、、にも行きました。

文字も二歳で教えずに憶えましたし、オムツも2歳代で、これもあっさり、教えてないのに取れました。顔立ちも、なんだか、(どっちの親にも似ず)りりしいのです。
「将来は○大学に!」「教授になればいい」などと、
それぞれが勝手な期待と夢を持っていました。

ところが、実家に行ってもなき通し、「ゆかの、材木のフシが怖い」といっては何時間も泣く、
抱っこすれば反り返って嫌がる、しゃべると口を押さえに来る、
そういう風な、かわいがられにくい子どもだったのでした。
絵本も、楽しんでみてるのじゃなく、文を丸暗記してるだけ。
かわいいのに、無表情。

「なんか、子どもらしくない」「おとなしいんだけど扱いにくい」
「大変ね」「育てたように育つというし、、、勉強ばっかり教えてるんじゃないの?なんか間違ってるんじゃないの?」
といわれるようになっていきました。

みんな、「育て方が悪いんじゃないの?」と、言いはするのですが、
実際に扱えるわけでもなく、、、。

勉強ばっかり教えてるんじゃなく、外に出るとほかの子どもから逃げるし、
「カエル、カエル」で 持たないので、自然と家で、、、睡眠のリズムもばらばらで、、、
という、今考えると自閉症っぽさがでていたのだと思います。

でも、誰の思うようにもできない子だったんです。

それは 私にとっても、だんなにとっても同様で、キャッチボールしようと言っても嫌がり、自分たちが子どものころ好きだったものを買っても喜ばず、一人でミニカー並べ。「思い描いてた子ども像」とはかけ離れています。

だんなは、
「外食連れて行くよ!」といえば、
「バンザーイ!!ハンバーグがいい!」という子、
「日曜だけど、今日も会社なんだ」といえば、「ええーっ」と残念がる子、

そういう反応を期待するところが 今でもあります。

先週末は、だんなが、出社せずに、家で仕事を片付けることになり、
1号に、「今日はお父さん、家に居れることになったよ!」
といってましたが、1号は、「そうなんだね。」とあっさり。

だんなはさらにあきらめきれず、
「お父さんが家にいないほうがいいの?」と尋ね、
1号は、「いや、いてもいいんだよ」
「(がっかり)いてもいいって、1号はお父さんが嫌いなの?」
1「すきだよ?(何で 質問がそういうつながりになるのか理解していない)」


1号には、「単純な事実」は通じますが、
お父さんがこう言って欲しがってるんだな、とか、こういう気持ち、とか、
自分がこういえばお父さんが喜ぶ、というのには気がつきません。

(二号は5歳下ですがそういうのには敏感です)

「育て方のせい」、とか、「そのうち普通になる」、とか、「将来はこうさせよう」、といっていた親族も、
徐々に、「1号はかわった形に生まれついてるようだが、この子なりの幸せが見つかるといいね」「こんなやつ、昔からいたけど、わざとじゃなかったんだな」とか、言ってくれる人もでてきました。

微妙な、、疎外感も感じますが、私はこれでよかったと思っています。

特に、実家で、家族がワーッともめていい争いをしてるときに、
1号が、泣いてるものを慰めたり、声が一番大きいものに抗議したりして、
「僕は、みんなが喧嘩するから ここにいるのがいやだ」
といったりして、けんかが自然と減っていったり、、、。
喧嘩の原因が実は些細だったと皆が思い始めたり、、、。

そういう時、1号は、周りを変えて行ってると思う。

私とだんなも、ある時期から、けんかがバカらしくなり、
意見が違っても喧嘩しなくてすむようになったのは
1号のおかげと思っています。