ふるまい


親類が ひとり、家に遊びに来た。

みなでちょっと 外出しようということになった。

1号は行きたくない様子。行く、行かないといってるのも いつものこと。
留守番になることもあるし、しぶしぶついてくることもある。

「ついていったら、ジュースはある?」と聞くので、

「わたしは買わないけど、1号が欲しければ 自分のお金で買っていいよ」といったら、ニコニコして
貯金箱や財布からお金を集め始めた。

「みんなに買ってあげる」というので、「いいよ、買わなくて、買ったらあんたのお金が減ってしまうの、わかってる?自分の分だけでいいよ、」
と遠慮したが、

自販機の前のテーブルに、すでに人数分(−1、しつこく遠慮したわたしの分だけがないらしい)のジュースが買って 並べてあった。

どれも種類が違い、おいしそうに見えた。

みんなおいしいおいしいと よろこんだので、
1号もご満悦。

「うれしいけど、おかね減ったでしょ、お金を返すよ」といってわたしたら、
そのお金で、その場にいなかった、お父さんの分のタバコを買っていた。

みながしきりに1号をほめるので、二号は面白くないらしく、

「タバコのボタンは!!私が押したのよ」
と主張している。

二号はとにかく自分のお金を減らしたくないらしく、
自分のものを買うときでも、「お母さんが買ってくれるのよね?」というのと対照的だ。