わるさをする、させる

昼寝からおきたら、1号と二号のきゃあきゃあ笑う声が聞こえる。

普段 1号は部屋にこもりきりで二号を締め出すし、
仲良く楽しくやってるのは めずらしいし、
よかったなあと思う。

しかし、起き上がってみると、

大きなヌイグルミのおやこに はんこがべたべた押してあ
る、、、なんで??

はんこは二号のものなので。二号に、
「あんたがしたの?」と聞いたら、ウン、というので、
ウェットティッシューで拭いて貰う。「壁に押したりしてない?」というと、してないという。

「はんこをあげたとき、紙に押すだけよ、と約束して わたしたのに、
それでも、はんこの使い方がわからないのなら はんこは没収させてもらうわ、
悪いことだってわかってやったんだよね?
だから、手もたたかせてもらうわね」といって手をたたいた。

1号はそれをじっと見てる。

二号はなみだをこぼし、「オニイチャンが ヌイグルミにはんこを押せといったの、、、」

1号に、「いったの?」と聞くと、「いってない」

「二人のいうことが違うのね。
どっちかが うそをいってると思うけど、

1号と二号で、二人で話をして、どっちがうそをいったか私に教えて、
それが終わってからおやつよ」


といったら、

1号が、

「叩かないならいうけど、、、」

「叩くか叩かないかは あなたがきめることじゃないでしょう、
私がきめることよ」

1「僕が二号に押せって言った」

「ヌイグルミにはんこを押すって、悪いコトだって知らなかったの?」

1「知らなかった」

「悪いって知ってるから妹にさせたんじゃないの?
悪くないなら自分でするんじゃない?

妹が怒られるときにあんたは知らん振りしてたのね」

1「僕も叩くの?」

「妹は叩かれたのに あんたは叩かれないつもり?
させたほうも やったほうも両方悪いのよ」

「二号、今度からは、悪いことをしようよっていわれても断ってね。
オニイチャンだけじゃなく、お友達に誘われても、
面白そうだと思っても、してはいけないよ。
そして大人の人に教えてね。
そうしないと、二号まで一緒に悪者になってしまうんだよ。
お母さんが寝てたら起こしてもいいから」

2「ウン、もうしないし、断る。それでお母さんに言う。」

「あのね1号。あんたは今、○才だよね。もう大人の半分の年だよ。
おとなになるまでに、していいことと悪いことを自分でわかって、
悪いことは 面白そうでも しちゃいけないってことを、
憶えなくちゃいけないんだよ。
私が教えても、あんたは「わからない」「悪いこととは知らなかった」というよね。
あんたがわからないなら、それ以上教える方法がないよ。

どうしてもわからないというなら、お薬のんだりやら 病院やらに行って教えてもらうことになるんだけど。」

1「病院はいや。おとなでも中学生でも、家に火をつけたり、ころしたりするよ」

「そうよ。
だから、あんたがそういう人になるか、悪いことはしないか、
自分できめるしかないのよ」

1「オレに お父さんみたいないい人になれっていってるの?」

「ちがうよ。いい人になれって言ってるんじゃない。
”悪いことはするな”って言ってるの。

誰だってむかついたり、叩いてやれとか思うことはある、

でもそれをしないでいるのが おとななんよ。いい人とはちがうんよ」


うーん、いつものことだけど1号の理屈と話してると私もわからなくなる。

1号が特にヘンなのか、これくらいの子供ってこんなものなのかもよくわからなくなって
「小学生にそこまで言うのは厳しすぎるのでは」
といわれたりもして、正直私も 何を?どう?教えていいかわからない。

とにかく、1号が、起こられるのはいやで、でもやってみたくて、
人を使って悪いことをさせて自分は逃れようとしたのは間違いないし(学校でもそんなことが数回あったらしい)、

それはやめて欲しいと思う、、、。

1号は、「もうしない」といって小指を出してくるが、握っていいものかどうかわからない。