おじちゃん


私が今の場所に引っ越してすぐ

知り合いになった 商店のおじちゃん。

挨拶したり ちょこっとしゃべったり


いつもニコニコ

知的障害のあるらしい子が 通りがかって おじちゃんに挨拶したとき
「あのこ、大きくなったなあ、かわいい子でしょ」といってらっしゃるのを聞いて、


「実は、うちの子も(障害もち)なんです、何かあるかもしれないから
もし、このあたりでご迷惑かけたら 知らせてください」とお願いした

私が通るたびに
「今日は1君遅く学校にいってたよ」
「今日は道草してたから早く行きなさいっていったよ」
「今日は 1君は ここのベンチで昼寝してたよ」

などと声をかけていただいた。


1が 失踪気味なときに血相変えて探してると

「今日はまだ見ないな

居たら お母さんが探してるからここにいるようにいおうね」


といってくださったり

あかんぼ2が ヨチヨチして あっと思ったときに 車にひかれそうになったときも
抱き上げてもらった。

二は特にかわいがってもらって、おじちゃんおじちゃんと寄っていくので、
何かのおまけや小さなお菓子をくださるので、
たまにお返しをもって行っても なかなか受け取られない。

お返しするとさらにお返しされる。

「あんたは姿勢が悪いね、若いのにもったいない」

とか、

「そんなハダカで歩いたらいけません。」
(このときは、袖なしのシャツと短パン)

(妊娠中のおなかを見て)「立派な横綱になりましたな」


などともいわれるんだけど、おじちゃんに言われても まったくいやな気がしない。


おじちゃんは戦争に行ったことがあるらしく


「私はタバコは飲みません。
でも、兵隊のときは 支給してもらったね。
そのタバコを売って、食べ物を家にもって帰ったね」
と淡々といわれる。

おじちゃんの様子を見てると、
誰かが散らかしたものを拾われたり
周りの人が おもい看板や荷物を片付けるときはすっと手伝われるし
(そういえば私もずいぶん手を貸してもらった)
いつもなにか 気を配っている。

古きよき日本人という感じのおじちゃん。

「イマドキの若い人は」みたいな皮肉な言い方をされるのも聞いたことがない。


こういう人になりたいんだけど。