しつっこい意地悪

「くらやみの速さはどれくらい」にも、自閉症のある主人公に嫌がらせをする人が数人出てくる。

なんでだろう???と、1号がしつこい意地悪をされるたびに、悶々としてきたのだけど、

この本で、(えっ、そうなん??!)と思う文がいくつもあった。

自閉症のある人は、行動が不審にみえたり、てきせつにしゃべれなかったりするので、苦労もするし、自尊心も低くなるし、周りの、心ある人は、援助、保護すべき対象と見てくれたりもする。もっとできた人は、心配りをしてくれつつも、「同じ仲間よ」といってくれる。それでも、完全に対等ではないのに主人公はきずいている。


でも、大多数の人ができないことが ぽつんとできたりもするので、
そこだけを見ると、「すごい!」ということが(まれに)あって、
そのことが、気に食わない人がいるんだ、ということらしい。

1号も、もちろん勉強が普通よりよくできるわけではないし
(むしろ全体で見ると大幅に遅れている)、
行動も、独り言を言ったり、繰り返し同じ事を言ったりしたり、
明らかに動作が遅かったり、どもったりするので、

なんとなく、みんなに、おおめに見てもらっている。
支援学級にいて、支援も受けている。

でも、たまに、発表で当てられ、まだみなが習ってない漢字を書けたり、
得意分野で覚えた地名を答えたりする。

そういう、ほめてもらえそうな貴重な場面で、必ず、そのことでいじめる子が出るのだった。

「おまえら、特殊学級に負けたのかよ」
とか、
「○○ってしってますか、ドイツには○○の工場があります」と1号の答えをそのまま繰り返して何ヶ月もいじる子がいたり。
そして自分が怒られそうなときは、ほかの子に、「○○工場って1号に言えよ、面白いぜ」みたいなことをそそのかす。

1号にとってはそれが大変な苦痛でもあり脅威である。


1号はそのたびに、「自分の何がいけなかったのか」を繰り返し考えている、

でも答えが出るわけがない、

「1号に」ではなく、「相手に」問題があるのだもん。



私はずっと、何かが「できなくて」いじめられるのだろうと思っていたのに、
数少ない「できた」時にこそ、しつこく何年も意地悪されるのはなぜ??

幼稚園のときも、意地悪した子は、1号と仲がいい女の子がいる、そのことが気に食わないらしかった。

女の子が1号に、「好き、1くんは、私のこと、好き?」といって腕を取った瞬間に、真ん中に割り込んでくるのだった。

(そういう写真ばかりが残っている。無表情の1号と、すごい顔で割り込んだ意地悪な子と、1と手をつないだままにっこり笑った女の子。

(嫌いなら1号のとなりに来なければいいのに、なぜわざわざ絡んでくるんだろう?)とよく思ったのだけど、今思うと、意地悪な子は、ただただ、女の子と1号を引き離したかっただけだったのだろう)


そういう、ほかの子に意地悪をしたり、足を引っ張るやつは、自分の成長への努力はお留守である。

そう、自分の成長を目指す人は、ほかの子へ意地悪する暇なんてないのでね。

なので、付き合う価値なしどころか、ほんとに迷惑な話なのである。
ちなみにそういう子は、1号だけでなく、ほかの子へも意地悪する。
お暇なこってす。


あ〜〜すっきりした。