悲しすぎて無理

1号がテスト期間中なので、勉強のやりかたをざっと教えた。

「テスト範囲のプリントがあるやろ、そのプリントに書いてある部分から出しますよって言う意味やん。
なのでその範囲をざっと、確かめて、わからんとこだけもう一度、ノートに書くとか、して覚えなおすだけやん」

1号は自分でテストプリントとか、作ってやっていた。


「じゃ、国語の文章、音読してみてね」といったら

1号「課題文章は二つだよ。

1個は、”苦笑”って感じの普通の文なんだけど、

もう1個は、どうしても、音読できない。」

「なんでよ」

1号「悲しすぎて俺は読めん」



なので、”普通の”文だけ音読してもらった。


うん、確かに普通の文。細かいニュアンス(登場人物の気持ちを、風景描写ににじませてあるような感じ)は
1号には わからんだろうけど、まあ、きれいな文章という感じ。


もうひとつの文章が。



筆者の実体験の文章。
戦争中に、赤ちゃんが生まれ(筆者は、その兄)て、著者はあかんぼうの弟を可愛がるが、どうしてもどうしても 甘いものが我慢できず、弟の粉ミルクを食べてしまう、
お母さんも、自分は食べずに子供たちに食べさしてる、弟は粉ミルクしか飲めない。
筆者もそれはよく知っている。

でも、弟は 弱って 「ただの栄養不足で」死んでしまう。

お母さんは、死んだ弟を背負って歩いて帰る。。。


これは音読無理。

小学校入ってからも、1号は、人の悲しみとか、自分の気持ちすらも、よくわからない子だった。

でもいま、文章を読んで、自分ではない人の悲しみを察することができるようになったことが、よかったなと思う。