長い目で見る

まとめサイトみたいなのを見てたら、「子供が自閉症と診断されたばかり」という父親のかきこみがのってた。

こういうのを読むと、私も、キューっと胸が痛くなる。
ああ、現代でも、まだ、自分の子供が自閉症と言われるってことは、
受け入れたいと思っていても、ショックだったり、先への大きな不安に襲われたり、

そういうことって、基本 変わらないものなんだなあと。
そして、それに対するレスポンスも、基本あまり変わらない(詳しい情報を書き込むのは当事者や家族で、一般的にはあまり正しく認識されてない、それでも以前よりはずいぶんよくなってきましたが、自分の身に降りかかっていないことを理解してよと言っても無理な話ですので期待しないほうが良いと思う)


うちの子供は4人のうち、一人だけ、自閉症と診断されたわけですが もう10年になります。

診断された当時は、「旦那や義母に怒られる、離婚しなくちゃ」「育てきれない、もう死にたい…」「人並みの暮らしはもうできないんだ」とかぐるぐる考えてました。
受け入れるなんてとてもとても。

ちょっと無理させて普通学級に入れたいと思ってました。

診断に至るまでに、いろいろな問題があるから診断されるわけで、そのあたりの実際問題も絶望的に見えて…

うちの子の場合は、普通の幼稚園に居れなくなって、そこから診断に結びついたわけですが。

幼稚園に居場所がない、理解ある環境もナシ、これでは荒れるなというほうがおかしいかったと今では思いますが。


それからいろいろありましたが、いい先生(児童精神科)に、淡々とでも暖かく思いやりにあふれる言葉をいただいて、
うちの子になるべくあった環境を、今探しうる限りで探そう、それは当時住んでいた場所の、普通学級ではなかった、と思ったのでした。

障害の度合いや本人の性格、親との相性、周りの環境など、いろんな条件は様々なので、
一概には言えませんが、

自閉症の子供がいても親が不幸になると決まったわけではないこと、

きょうだいも(今の所、うちの子たちは)淡々と暮らしてる(将来も自分の人生を生きてほしいし、本人たちも当然その気で居る)こと、

障害のある子供本人も、自分の障害を知ってるけど、「この自分が良かった」「幸せだ」「可哀想とか言わないでほしい」「自分を尊敬しているからだよ」などと言っているので…

10年経った今、私が子供に教えてやれることよりも、子供のほうから学ぶことのほうが多いし…

私がしたこと以上のことを返してくれてる…



今の自分から過去の自分にアドバイスできるとすれば

※「親の希望」よりも、「子供の居場所」を作ってあげたほうが良い

※子供本人が安心してるほうが、行動も情緒も落ち着く

※差別する人も多いけど、そこは相手にするな、理解のある人と細く長く付き合うこと

※問題が起こっても、必ず改善していく(ただし長い目で見て)

※難しい子供だけど、やりがいがあるし、面白くもある

※使わなかったとしても、公的サービスや、いいサービスがあれば調べて使えるようにしておく

※進学などの長期計画も、長い目と短期的視点と両方持っておくこと。小学校のころから高校や作業所、就労支援施設、グループホームなどを見ておくことは全然無駄にならない、どんな学校でも参考になる。自閉症でも普通高校に行くこともあれば、支援学校に行くこともあり、ダメかどうかを早々に決めずにやってみること

※障害のことを誰かに言うときは、理解は期待せずにさらっと事実のみを。
理解してもらおうと期待しないこと、親族ですら理解「したくない」人もいれば、遠い知り合いが思いがけず力になってくれる時もある。言わなければ、言わないでいいのかもしれないけど、言ったおかげで 本人の道が広がった部分もあり

※怪しい宗教は断り倒せ 躊躇は不要。宗教にかかわる時間が無駄(と私は思う)