父のこと


私は、自分も、だんなも認めるファザコン、、、。


父は、60になっても夢を持つし、人を喜ばそうとするし、
字がうまいし、相談すれば答えてくれるし、いやなことも何でもして私を育ててくれたし、ものすごい毒舌だけども にくめないし、
いつも「一山当てよう、何かしてやろう」と もくろんでるし、
自分の恋の話もしてくれる。
「バイクの後ろにうどん屋の娘さんを乗っけてて、たんぼに落っことした話」
「すきじゃない人に追いかけられ、好きな子にもてない話」など、、、


何を言っても言い尽くせないくらい わたしは父が好きだ。

父は本も読んでないし、読まないし、学がないと自分では言ってるけど、
何の相談をしてもきちんと返事してくれる。
そしてアドヴァイスはいつもためになる。

1号の 障害の話をしても、専門家にも会ったことがなく本も読んでいないのに、


「右脳とか左脳とかあるやろう、
どっちかがすごくいいとか、どっちかがすごく悪いとか、
それとも、両方の連絡するところがあるやろ、それがうまく行かんとか そんなのやろう。そうやつは昔からおった。確かに足らんところが多いけど、
いいところが発達していけばいいやん。

うまいこと、いいとこを活かせるように見つけてやれ。世の中面白いもんで、
そういう、どっか抜けてるやつには、それに適した場所があり、
それを補うやつが居るもんだ。
だからいいんだろうな。

でも最近は、”すべての分野で まあまあのやつ”ばっかりにしよう とするからな。
はみだすやつは、難しいのかも知れんな」

といってくれた。情緒や育て方のせいじゃなく脳の問題、というのを、
1号を見たうえで わかってくれたんだろうな、と思う。

1号が5歳くらいのとき、ほとんどしゃべれず、
でも指示は通じたので、
確か、何かを父に手渡したときに、

父が、「コイツ、犬よりはましだな」

といったことがある。


父は 人をほめるのが苦手だし、
してもらった 照れ隠しに 悪く言ったのは 私にはわかったが、
「ちょっと失礼な言い方しないでよね」
といっては見たけど1号にはわからないと思って見くびっていた。

しかし、それ以来しばらく、1号は父に寄り付かなくなった。


今は、1号は 父がだいすきで よく 付いて回ってる。
いつの間にか父の隣には1号がいる。

社交的で、暗記や読書の嫌いな父と、
コミュニケーションが独特で、本ばかり眺めてる1号、
なぜか、ウマが合うようだ、、、

能力が及ばない人に対し、怒鳴りつけてばっかりだった父が、
ここ数年、ほんとに優しくなった。


1号の事をじっくり見るにつけ、「こういうやつがいるんだなあ」と
いろいろ考えてくれたのなら、
お互いの欠けてる所を 補い合ってるのかもしれない。