母の日に

私の パソコンの机の引き出しに、見知らぬ物体がいれてあった。

学校で作ったらしい、ビーズのネックレスだ。



(ちょっと勇気が要るけど)それをつけて、学校(忘れ物を届けに)や
ようちえん(送りに)にいった。


忘れ物は 届けなくてもいいものだったけど、ネックレスを見て
1号は にやりと笑った。


幼稚園に行くと、「いいですねー母の日のプレゼントね。
二号ちゃん上手ねえ」
といわれる。

「いえ、二号が作ったんじゃなくて、
上のオニイチャンがくれたものなんです。学校で作らせてもらったみたい」

「へえ 学校ってそんなことするの?」
「上の子 少人数学級にいるから。普通学級ではしてないのかもしれませんね。」

などとオニイチャンの話になる。

幼稚園の先生も、

「あらオニイチャンが作ったのね。
いいわね〜
オニイチャン、はじめてみたときより すごく落ち着いたよね。
広汎性発達障害でしょう?」

「そうです。」

「でも、コミュニケーションとか、いわゆる自閉的な部分は軽いと思うわよ。
私は専門家じゃないけど、何人か自閉症といわれたお子さん見てきたけど、、、。
そんなに心配しすぎないでね、うちのようちえんにいた子でも、
ちょっと似た感じの子がいて、今現在はこんな風に(具体的に、成人された今の状態、ここでは伏せますが)なってるわ、、、。「同じようになる」というんじゃないけれど。
いつかそれを言いたいと思っていたの。」

「ありがとうございます。1号のようちえんでは、「自閉症って 見たことあるけど、
こんな風じゃありませんよ、障害じゃなくって しつけの問題です。」って言われて
コドモも ますます行動がおかしくなって、やめたんです。
1号はここの幼稚園の事は、二号から聞いて何でも知ってるし、すきみたいですよ。
ようちえんをやり直してるんでしょう。
オニイチャンの分の月謝もここに払わなくてはいけませんね。」

「しつけの問題なんて、そんなバカな話はないわよ、その子にあった方法とか、知識とかが必要なのよ。
難しいけれど、、、

幸い今はいい環境にいるみたいだから、
うまーく、能力を補助してあげていったらいいですね。
とにかく、悩まなくて大丈夫よ。
妊娠、大事にしてね、、、」


1号のようちえんはひどかった。

大学病院で 障害の診断を受けたし、療育手帳も取ったし、
うちの子だけじゃなくこんな子はいるんです、とアスペルガーの資料も
集めてわたしたし、
療育機関から「視察に行きたい」との申しでも、してもらったのに、
全部断られた幼稚園。
先生と話そうとしても、「行事の準備がありますから。時間がありません。
お宅のお子さんだけ特別扱いは出来ません」といわれた。


年度の途中に、「幼稚園はやめます、」といったら、
「そうですか、卒園証書出せませんがいいんですか?
卒園式も出られませんよ」
といわれた。

はあ???卒園式のため?に、無理して通って
子供つぶれちゃうなら 今日 いますぐ、やめたほうがまし。

「健常児の帰国子女」として入れてもらったときと 
「扱いにくいしつけの悪い子」になったときと、
せんせいいがたの態度の違うことと言ったら。

子供のための行事、じゃなくて、
「親の受けを前面に考慮された行事」が そんなに大事なんですね。

影で陰湿ないじめをする子が多い理由が
やっとわかった。

保育者の目が、子供にぜんぜん向いてないんだ。


ずうっと、オニイチャンのようちえんを恨む気持ちが
忘れられずにいたけれど、
また二号も、「日本のようちえんがこんな場所なら
入れる必要はあるのか」、
と思っていたけれど、
結局、二号のようちえんは障害がある子も楽しくやってるのを一目見てきめた。

二号のようちえんが、1号を保育してもらったわけではないけれど、
わかってくれたことで、

胸のつかえが取れた。