自閉症であるということ

うちの1号より、もっと自閉症色の強いA君のこと。

この子は、言葉は出るけど コマーシャルのフレーズとか、
大人にいわれた言葉の繰り返し、
で、何かいっぱいいっぱいになると、手を叩きながら飛び跳ねる、という感じの子。
中度の知的障害を伴う自閉症、、、という感じなのでしょうか。

けど、たまに、「かちっ」とわかってくれるやり取りがある。

私は、わおっと喜ぶんだけど、彼の表情は変わらない。


私とは相性のいい子で←(と私側から勝手に思ってる↓)、
たまに会ったり数時間預かるときでも、特に問題なし、楽しく過ごします(彼もそう思ってるかは 確認していないので わからない)

この子と、ママと、ショッピングセンターに行った。

フードコートで泣いてる(駄々をこねてる)子がいると、そおっと近づいて
「だいじょうぶよ〜〜」と慰める。
泣き声を聞くとあせってる風でもある。

ないてる子は彼に八つ当たりする、

「知らないお兄ちゃん、こないで!だいっ嫌い!」

好意も報われない。




そのあと寄った薬局で、(たぶんにおいが嫌いなのに 私たちが入ってしまったので)
(ペッとつばを吐いたらしい、後で聞いた)私が「あっ」と思ったときはもう店員さんと もめてた。
本当に数秒の間。

彼と買い物をするときも、商品に手を触れたり逃げ出すということはまずないので、油断してた。

お母さんはさっときちっと謝り、がつんとA君をしかり、A君にもきちっと「すみませんでした」と言わせた。

店員さんはまだ怒りが収まらないらしく、

「君はわかっててやったんだろう!」といった。

A君は、大人と変わらない背丈の、ハンサムな子なのだ。


お母さんはもう一度謝り、
「もうさせません、私が見ていなかったのが悪かったのです。

、、、この子は自閉症児です。

申し訳ありません」

といった。

「そうですか、そういうことなら理解はします、」

といって何とかおさまった。

誰も、悪気があったわけでも、恨みからやったわけでもないのに、
みんなが少しづつ傷つき、
2,3分そのやり取りをみてただけの私も
やっぱり悲しかった。

お母さんは 「この子、自閉症です」と言う言葉を「だからいいでしょ、わからないんだから!」という免罪符に使ったのではない。
それもわかってる。

店員さんも、悪いことは悪い、と堂々と叱ってくれた。
当然でもあり、ありがたいことでもある。


薬のにおいがいやで(おそらく)
「薬のにおいが駄目なんだ」Or「お母さん、待って」Or「僕、あっちで待ってる」
ともいえず、
苦しかった、つばを吐いたのは もちろん悪いことだけど、

苦しかった気持ちはみんなと共有できず(ほかの人にはとんでもない悪臭ではないから)、それを、言うこともできない、

とっさのことなのでみんな彼を怒る、怒鳴るしか出来ない。

毎日、いくつかそういうことが起こって、彼は自分の能力いっぱいいっぱいで
なんとかがんばってやっているのに、
怒られた体験ばかりがフレッシュな記憶として増えていく。


という、自閉症の壁が 私は くやしくてならない。

私がくやしがっても どうにもならないけど。