乳児とだんなのお留守番


だんなが、休みを取って、一泊旅行に連れてってくれるという。
おぼんに休みがなかったので、その振り替えだそう。

宿に着いたら、

「オレが 赤ちゃん見とくからさ。温泉でも入って来いよ。

お乳飲ませたら、置いていっていいよ、一緒に昼寝でもしておくさ」

とだんな。

自分から、乳児を見る、といったのは、3人目にして はじめてかも。

ついてしばらくしたら、抹茶とお菓子が出てくるような高級旅館だった。

高級といっても、澄ましてる所ではなく、心遣いの行き届いた、居心地のいいところでした。

(だんなの仕事がらみで宿を選んだのと、急な休みだったのとで、
そこに泊まることになったらしい、
しがらみはあっても、払いは自腹なので
値段を聞いた私は 仰天。

でも、こういう機会はめったにないので、値段の分くつろごうと決心した。)

チビが荒らすので、ばたばたと 抹茶とお菓子を頂き、食器類を高い戸棚の上に退避。
だんなのタバコ類やら、高そうな香炉やら、手の届きそうな飾り物を、全部高いところに上げた。

お乳を飲ませて、「では行って来るね」と上二人と温泉に行った。


温泉といってもお湯でない、熱い砂に うずめてもらうもので、乳児は無理。
子供二人は、大喜び。
「うちの近くにあればいいのに!」
「次はいつこれる?」
と言い合っている。


だんなが見てるとは いっても、赤ん坊の顔がちらつくので、
大急ぎで済ませて、1時間ほどして戻ったら、


赤ん坊は ギャオンギャオンと泣いており、
(廊下まで泣き声が聞こえなかったのは さすが高級旅館)
怒りまくって荒らしたそうだ。

だんなが うたた寝からさめたときは、

ちびは床の間に上って、一輪挿しのひまわりを食べていたらしい。


あああ、床の間が濡れて、だんなが拭いたらしい跡が。

花瓶が割れてなかったのが幸い。

ひまわりは左半分が消失。

「くる、こない」と 花びら占いでもしたのかい。