将来オレは


知り合いがどんどん中学生になっていく。

特殊学級にいる1号は、先輩たちとの付き合いも濃いし、

特殊学級のある中学に行く先輩、養護学級に行く先輩、

その先輩たちが高校に行って…というのを見ている。

「で、俺は高校は行かないよ。中学まででじゅーぶん!

で、漫画描く人になるんだけど、お金が儲からないから ほかの仕事もする。」

「うん、いいよ。行きたくなったら行けばいいし、行きたくなかったら行かないんじゃないの。ただし いかないんなら 働くんだよ。」

「俺 ほかの仕事は サラリーマンになる」

「サラリーマンね。

いろんな仕事があるけど、

サラリーマンは大きなチームプレーだよ。

もっといろいろ勉強しないといけないし、1号に向いてるかどうか。

今、自分が、特殊学級にいるって言うのは知ってるよね?

特殊学級は、国語さんすうの勉強をだいぶ、減らしてあるの。
理科社会は、まったくやっていないよね。
もちろん、出来ないからじゃないんだけど。
習ってないだけで、興味があれば、できるよ。
みんなが習ってることを、あなたは習ってなくて、その代わり、別の勉強をしてるの。
だから、サラリーマンになるなら、もちっと勉強、いるかも。

あんたは、自分にできることで、役立つことをしたらいいと思うけど」

「仕事はどうやって探すの」

「うーん、そうね。いろいろ見て歩くか、弟子になるか…

楽器が好き、音がよく聞こえる(ピアノの調子が悪いのを聞き分けてるらしいので)なら、その楽器を、弾くひと、じゃなくて、楽器のお世話とかするひと?
そういう専門学校があるかな?

仕事を探すお手伝いとか、仕事の練習を 助けてくれる高校があるらしいんだけど」

「うん、俺、もし行くならその高校に行くよ。それか、養護の学校ならいく」

ふむふむ。

「あとね、オレが家のことをして、お嫁さんが働きたい人がいたら ちょうどいいね。」

「まあ、そういう人がいて、その人があんたを好きになって、お互い好きになればいいと思うよ。
周りはいろいろ言うだろうけど、いいと思うよ」

ふむふむ、そういう展望もありかぁ。