ブルーベリーは…

1号は昔からブルーベリーが大好き…
手が真っ青になるくらい食べていた。

この辺は暖かい地域なので、ブルーベリーが栽培されるようになったのは遅かった。

12,3年前、私は自動車に一号を載せて、山奥のブルーベリー園に行き、「ほら!あんたの好きな…」と見せたのだった。

1号はすかさず「…ブドウ!!!」と言い、農園のおじさんに、「・・・ブルーベリーはまだ珍しいから ぼうやは知らなかったんだね〜」
と言われた。

「ち、違うんです…」昔から間が悪い子だったのだ…


今では暖地でもできるのか、うちの庭にも数本植わっていて、私が蚊にまみれながら収穫する。

4号も大好き・

もうシーズンも終わったので、冷凍の安いのを買ってくるのだけど、1号はこれを炭酸水に入れたり、ヨーグルトに入れたりいろいろに楽しんでいるのだ。

1号「俺、冷凍のブルーベリーが一番好きよ…」

おっさんみたいな体でファンシーなことを言うのだ…

「あらら、生のほうが高いし、じゃあ今度から冷凍を買うようにしようか…」



1号「ううん、俺、生のブルーベリーは…

おもいでをたべているんだよ・・・」


「思い出を食べている…」

「俺はまた言葉の使い方を間違ったんだね。」

「ううん、ちがうよ、たぶんブルーベリーを食べてそんなことを言う子はほとんどいないね。

あんたは詩人みたいな言い方をするからかわいいと思ったんだよ・」

「間違いだ!と言われるのかと思った…かわいいと思ったんならいい」

「本当にそう(思い出を…)思ったからそういってるんでしょ…それじゃあきっとそのいい方は、間違いじゃないんだよ…」