1号には、お気に入りの魚屋さんの店員さんがいた。
話がしたいがために 店の前を通るので 買わざるをえない、という日が続いた。
「結婚してるの」とか、年齢とか、「アレルギーはある?」(←1号は気に入った人に身元調査をします。)とか聞きまくっていた。
(というか私に「魚屋のオニイチャンにきいて、、、」と、聞かせていた)
そのひとが いわゆるイケ面じゃなく(ごめんなさい)、
不器用そうでシャイな感じの人なのですが、
その人が 魚を乗せた台車を押す音は ほかの人の音とちがうとかを 1号は聞き分けていたようです。そして会うと必ず1号を名前で呼んでくれる。
独身の女の親類には、「魚屋さんと結婚すればいい、そしたらオニイチャンが僕のおじになるから。」などと縁談に持ち込んだりしてました。
「最近見ないなー?」と思って一年くらいになるかな。
昨日の朝、自転車に乗ってスーツ姿の若者が、
「1号君のお母さん」と言って声をかけてくれた。
魚屋さん?と思ったけどスーツだし、、、。
「僕 魚屋です。1号君は相変わらずおとなしいですか?」
「見違えたね、魚屋さんはやめたの?1号も寂しいみたいよ」
「僕は、世話してくれる人があって、○業の会社に勤めています。1号君にもよろしく」
家に帰って、1号にその話をしたら、近況がわかってうれしいのか にっこりした。
(もちろん、好きな人に関する記憶は 何年でもしっかり残っているので)
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肉屋さんと、劇場であった。
こちらは、子供の付き添い、あちらは お孫さんの付き添いでいらしてた。
お肉屋さんの コスチューム姿ばかり見てるので 人ごみの中で見ても、
誰だかわからなかった(私は)
1号が、「お肉やさんいるよ」、といったので「おや、1号君も、来てたね」
と おたがいがわかったくらい。
後日、お肉屋さんに買い物で寄ると、おじさんが、
「よかったですね、あの劇。
ウチの孫が そんなに喜ぶわけでもないんだけど、私のほうが感動してしまうんです。
劇とかああいうのね。
、、、、、、、、ああいう、人を感激させる仕事ってすごいなといつも思うんですよ、
、、、、、、自分にはそんな仕事出来ないけど」
「私は、お肉屋さんのお肉の やすくて、いつもおいしいのほうが
感激ですけどね。
立派なお仕事だと思いますよ」
「ははは、、、」
私は本当にそう思ったから言ったんだけどな