娯楽Pについて

検索でそのワードで出たくないので、娯楽Pとします。

わたしの父も、ずうっとPが好きだし(子どものころ、家に電話があると、Pに父を呼びに行った)、

私も大学時代、バイト代をPに貢いでいた。(とはいっても、一ヶ月3万円くらい)
今でも、チラッと(やってみたいな)と思うことがある。

トイレを借りるのに、20年ぶりくらいに、Pに立ち寄ってびっくり。
豪華ホテルかデパートかっていうくらいゴージャス。

この豪華さは、全部だれかが貢いだお金なのね、、、
CMも、やたら多いし、
そのお金もみんな…

と思うと、もう する気はなくなった。

OLとして働いていた短い間、私は、二人だけ、パチンコで負けてない人たちを見た。

一人は、月のお小遣いが1万5000円、それでパチンコ代とタバコ代になるし、あまったら子供たちや奥さんにお金を返したり何か買ってあげるという。

1万5000円で余る???

もう一人は、Pで車の頭金を払ったという人。

その職場は、決して高給ではないし、
二人とも、話を大きくしたり、虚勢を張って目立とうとするような人ではなく、地味な感じのおじさんたちだった。

わたしの父などは、
「今日は5万勝った」
といったりするが、実はそこまでに10万入れていたりする。
それでは5万の負けなのだが?
本人はそう思ってない。



「どうすれば勝てますか?」

と負けてない二人に、私が聞いたとき、
二人は、(それぞれ、別の部署で知り合って 別の機会に聞いたのだけど)

「うーん、いつも勝ってる訳じゃないよ、僕は、一回で2000円って決めてる。
2000円じゃかからない(かかる=玉がたくさん出る)よね。

でも、そこで10万突っ込んだからって かからないかもしれない。

10万入れてたら、かかっても、10万以上出さないとプラスにならないから、
ずっと打つ事になる。

勝ってたたまもなくなってしまうかもしれない。

もし、2000円でかかったら 儲けが出るから、その儲けの範囲内で遊ぶんだよ。
負けても失うのは2000円だからね、
2000円であっと言う間に終わったらすぐ帰るよ。2万円あれば、10回打てるからね」


「まけるときは少なく、だね。トータルで見て、ちょこっとプラスで上出来よ。」

そして二人とも、「おこづかいちょうをつけてるよ、」と。

30−50代の大人が、おこづかいちょうをつけてるというのがおかしかったが、
結局、客観的に収支を把握していたら、もう少しもう少し、とアツくなってずるずる大負け、あるいは、勝った勝ったといいつつ実は負けてる、ということがなくなると思う。





そして私は、だんなのPを、20年くらい見ている。
上の二人の話を、チョコチョコしてみたんだけど、
「そんなのおもしろくない、2000円でかかるなんてありえない、
Pはオレのストレス解消なんだから、すきにさせてほしい」
「いつか、10万勝って見たい」
といい続けていた。

「ストレス解消、ああ、楽しかった」で、気分もよくなり、

出費も許せる範囲内なら私は異議なしだが、

そういいつつも、Pから帰ってくるたびに ストレス倍増、
どよーんとしてるし、出費も、娯楽とはいえない額だった。

土日で、5万円が二回 銀行からおろされてることがあって、
「クレジットカード詐欺かも」
とだんなに聞いてみたこともあった。

「詐欺じゃなくて、オレがおろした、もうちょっとお金を入れたら勝てると思った」
ということらしい。

「自分が捨ててもいいと思う金額の範囲でやったら?」
といっても聞かない。

普段はすごく冷静で、お金にも結構細かい、論理的な彼なのだが。


*****

それが去年、収支を一年間つけてみたらしい。

彼は、自分独自の発案だと言ってるから そうなんだなって思うけど、
結局、
負けても勝っても、冷静で居られる効果はあったらしく、

結局、ほんのちょっとのプラスで1年が終わったらしい。
年間200日以上打ったらしい。
以前のように朝から終点まで入りびたりという事もなく、ささっと帰ってくるけど。

彼も「俺、そんなに行ってた??」とびっくりしていた。
自分で付けたお小遣いちょう(エクセルで)だから、そうなんでしょう。


まあ誰の発案であろうと、彼がそれで楽しく遊べたんなら私に文句はないし、
巨額を貢いだうえに、新たなストレスをもって帰ってくるわけではないから
ありがたいことではある。

みんながそういう遊び方をしたら、P店がなくなってしまうんでしょうけど。