どっちを

お正月で車も少なく、お天気もよく、暇。

1,二,3号をつれて、年賀状だしがてら散歩した。

「1は、目的もなくぶらぶら散歩するの、いや?」

「いやじゃないけど、目的があったほうがいいなあ」

「そうだろうねえ〜じゃ、ブランコのろ」


住宅街の中の公園で、ブランコや砂場があるので遊ばせて
わたしはベンチに座っていたら、

3と一緒にブランコに乗ってる1号が、誰かおばあさんと言い合っている。おばあさんは道路から、1と3を見ている。

おばあさん「シンちゃん、今日は一人で公園に来たのね」

1「これは、3号で、僕の弟です、シンちゃんじゃないですよ」

おばあさん「あら、そうだったの、ごめんね、似てるからつい。

しんちゃん、お兄ちゃんに遊んでもらってよかったね。」

1「シンちゃんじゃなくて3号です、

シンちゃんはおばさんの孫ですか?兄弟いますか?シンちゃんは何歳なんですか?(自閉症児恒例の身元調査)」

「シンちゃんは一人っ子でねえ、孫はいないの、わたし。
シンちゃんはここによく来るの、まあだ1歳よ。お父さんと野球してるわよ。でもおばあちゃんおばあちゃんってわたしに来るの、お母さんはほら、口うるさくていやだってわたしのとこにね。」

1「シンちゃんは1歳ですか、3号は小さいけどもう3歳なので人違いですね」

「しんちゃん、今日は「おばあちゃん!」って言わないのねえ。
いつもいうのにねえ。
わたしもほら、いっぱい仕事があってさ、いそがしいの。」

1「何の仕事ですか?」

「ほら、難しい仕事。。。その、電車に乗って、いって、(口ごもる)そこで、お風呂とかそんなの、作ったり、そんなことを全部させられてるの、大変な仕事」

1号はふとブランコから降りて砂場へ移動、

わたしがさりげな〜く3の後ろへ回り、ブランコをおした。

おばあさんはまだまだ話し続ける。

「あら、おばさん、シンちゃんのブランコ押してもらってすみませんねえ。

わたしもこんな格好でおかしいでしょ?」


といわれて道路からこちらに移動してこられる。

「イエイエ。。。そんな。。。いいお天気ですよね」とか何とか言いつつ、 ふと みてみたら、きれいにお化粧されているのに、

男性用の タイツみたいな肌着(だけ)と、靴下は片方ずつちぐはぐ。

持ち物は輪ゴムに止めた年賀状数枚のみ。

一つ一つの言葉は 割りと まともだけど全体がなにか、おかしい。。。
認知症の人か何かかなあ。。。

二号が隣のブランコに来てこいでいる。
「おじょうさん、かわいいねえ。シンちゃんと遊んでくれてありがと。」


今、わたしが3をつれて帰ったら、
このおばあちゃんに、「わー!!!シンちゃん連れて行かないで!」とかいわれるのかも?

そんで 騒ぎを聞きつけてやってきた警官は、
私のいうことを信じてくれなかったりしてね。。。

わたしも何にも持ってないし、「この子がわたしの子」っていう証明も何もないし。
ひょとしたら 3じゃなくてこれはしんちゃんだったりして?
とかシュールな気分になる。

「明日雨が降るらしいですね、今日は暖かいですけどね」

といったら「あらたいへんわたしは忙しいからごめんなさいね」といってどこかへ行ってしまった。



家で、このことをだんなに言ったら

「お前も似たり寄ったり だしね〜」


そうそう、ユニクロフリースを二枚重ねてる人(=わたし、中に着てるフリースは自宅用で、上に着てるのはおめかし用です)って、ねえ。
間違って服きてる怪しい人にしか見えないかもねえ。

1号に(あのおばあさんのこと、どう思う)と聞いたら、
「脳が混乱してたみたい」(認知症のことは言葉としてテレビなどでは知っているが、それらしい人に会ったのは初めて)

二号は「優しそうな人だったけど?」とのこと。