機械を介する

1号は、わたしが、
「カルタ取りしようよ」といっても、
「トランプしない?」
といっても、よってこない。

「僕はパスです」といって部屋に逃げ込んでしまう。


二号が、「ねえ、一回でいいからしようよ!!」
「その絵札、わたしのお気に入り、取らないでえ!!」とか、
「これお母さんの名前の字、だからあげるわね」とか、
お父さんに負けたとか、わいわい、泣いたり笑ったり、得意になったりと感情的に忙しく、というのとまるで違う。

というか、二号はゲームそのものもだけど、「わいわい」の脱線を楽しみ、
1号は、「カードは、取った人のものになる」というルールを守らない二号、
声が大きく興奮する二号、そういうのが厭みたいだ。

だから、
「トランプで、神経衰弱しようよ」というと、

「それってパソコンに入ってる?パソコンのならしてもいい」

といって、パソコンのものなら一人で淡々とやる。

私が、「うまいね」とか、何かコメントしたり、後ろから覗くのすら いやみたい。


二号にパソコンのゲームをさせても、一人では5分も持たない。
ゲームは だし で、それで ひとと、かかわるほうが うんと楽しいんだろうな。


あるとき、二号が私相手にカルタをしていたら、
1号が、自分で作ったカルタと、
アイウエオを発音するボードを持ってきて、
ぼくのカルタをしようといってきた。

自分は 札を取るのはいやだし、
ゲームに参加したくはないが、読み札を機械に読ませる
仕事は してもいいんだ、という。

機械のボタンを押して、「き」「ん」「ぐ」「こ」「ぶ」「ら」などと、
読み札を読ませるので、非常にもどかしい。

自分のコントロールを効かせたい、という気持ちはあるんだろうな。