眼の病院

今朝は

「眼が いたがゆい」といっている、見せてもらったら
えらいこと、はれている。

プールが始まったせいかな。

「今朝は、学校に行く前に眼の病院に行ってみる?」

目医者は はじめて。もともと病院は嫌いだし、
パニックにはならないと自分できめているようだけど、怖いんだって。

「お母さんはどっちでも良いんだけど。
あんたはどっちが良い?
病院に行かなくて、病気がひどくなるのと、
病院に行って早く治るのは どっちが良いか」

と聞くと後者を自分で選ぶ。

9時前にいったのに、もう待合室はいっぱい。

2「私はいつ幼稚園に行けるの?」

1,3号(眠ってる)を 待合室に置いて、2号を幼稚園に先に送ることにした。
行って戻っても、順番は来ないだろう。


「3号と一緒に、ここに居れる?2を先に幼稚園につれてって、戻るから。出来る?」

1「できるよ」

「これ、保険証って言うの。
保険証見せてくださいといわれたら、これ見せてね。大事なものよ」

1「うん、できるよ」

20分ほどして戻ったら、
看護婦さんと会話しながら 何とか 診察券とカルテを作るところまで済んだみたいだ。

「3は?ないた?」 
1「泣いてない。もぞもぞはした。」

「保険証見せた?」

1、「みせた。住所は?ってきかれたから、
”僕には難しくてわかりません”って答えたよ」

と言いながら、看護婦さんと一緒に 視力検査のところへ行ってしまった。

アレレ、自閉症のことを伝えそびれたし、自分だけで行っちゃった、、、

(せっかくなので、今回は、障害がないものとして どれだけ通じるか見てみよう。

1号からはなれたところで、声もかけずに、見てるとわからないように見てみよう)と思った。私がいると知ったら、できるとこまで丸投げするだろう。


視力検査は、「僕にはわからないなあ」
「ちいさすぎるなあ」
「違ってるといけないんですが、こうですか?」

などと言いつつ、
cの形を、ゆびで再現して乗り越えている。

「右、左、って、言葉でちゃんと言いなさい!」と言う看護婦さんなら
無理だったと思うけど、
かわいくて柔軟そうな看護婦さんだったので上機嫌だ。

機械を使う、「あごをここに載せて、おでこをつけて、、、」と言う検査も、
言われたとおりにやっている。
ふっと風が出る検査に、飛び上がり、「おお!びっくりした」と言って腰が引けている。

(「もういやだ、帰ります」っていうかな?)

「次は反対の眼ね」

1「イヤですけどやってみます、怖いんです」

と言いながら何とかやっていた。やっぱり跳んでいた。

それから、看護婦さんについて、先生のいる暗室に行ってしまった。


(ここは、ついていくべきよね。)

と思い、こそっとあとをつけた。

「光るところを見てね」と先生が言い、
「まぶしくてイヤだ、怖い」と言いながらも何とか見ていた。
薬を点されたらしく、
「眼をごしごししていいですか、しみます」といっている。

普段ならとっくに、がまんの容量を超える水準だと思うけど、
何とかやってるのは、看護婦さんが かわいいからだろうと確信する。

先生が、痛いところの確認で、あちこち押すのを、

「ぼくは、がまんできますっ。いたくありませんっ!でも、もう終わって良いですか?」

と言いながら 腰は引け引け、たまに跳び上がっている。

思わず私が、「がまんしなくていいんだよ、どこが痛いか調べてるんだから、先生に教えるんだよ」

といったら、先生も看護婦さんも「そうだよ」と笑っていた。

「大きい子なんだから 動いちゃだめっ!」と言われたら
そこで病院を飛び出してると思うんだけど、ホンワカした雰囲気の病院だったから 大丈夫でした。


「視力検査のとき 飛び出したので測定不能
と言われたのが2年前くらいまで?だったので、
だんだん補助をはずしていっても大丈夫かな、と思えたのと、
まごまごしながらも、自分でできるようになっていたのが嬉しい。

薬局に、「ものもらい」という 眼の患部のアップ(怖い!)のポスターが張ってあるのを見て、

「これが1号の病気よ」といったら、

1「俺のも このいぼできる?このいぼ つぶしていいの?」

「たぶん あんたのはひどくならずに薬で治るみたいよ、
この いぼくらいになるまでほおっといたら、切るんだって」

といったら、怖かったのも報われたようで 満足げだった。