おじさんが居ない


二号「お肉屋さんのおじさん、どうしたの?」

「どうしたってなにが?」

二号「最近、居ない」




というので、息子さんに聞いてみた。「おじさん最近見ませんが」

「ちょっと体、壊して」


「えっ!」
思ったよりも、なんだか深刻?という感じだったので、

近所の別の商店のおじいさんに聞いた。
「もう3ヶ月以上前よ。倒れて、入院して退院して今リハビリ中。」

えーっ、毎日とおってるのになんで、今まで気がつかなかったんだろう。
ニコニコしたおじさんファンなのに。

支店もあるし、そっちにいるんだろう、息子さんたちに代替わりしてるのね〜くらいにしか思ってなかった。

「赤ちゃん生まれたら大変でしょ、
配達するから言ってね!デンワちょうだい。ほかの店のものでも 言ってくれたら
一緒にもって行きますから!」

と、行けば必ず声をかけてくれた。

うちなんかそんなにたくさん買うわけでもないので、配達というのも気が引けて、実際に頼んだことはないけれど、
「本当に大変になったらお肉屋さんに頼もう」というのが、おまもり代わりだった。

二号はお手紙を書いていた。

おじさんの顔が お店で、また見れますように。