低い低い手すり


去年まで 二が行ってた幼稚園は二階建てで

二階に上がる階段を、3が上ったり降りたりするのが好きだった。
わたしも目を離せないので、そばにいたり、ほかのお子さんの邪魔にならないように時に抱えたりしていた。(割と幼稚園児たちは赤ちゃんをうまくよけて走っていく!逆に、脱走3を 幼稚園児は良く捕獲してくれました)


3は、ハイハイして上るんだけど、普通の高さのほかに、大人の足首くらいの位置にもうひとつ手すりがあった。
3がちょうどそれにつかまって上り下りする。
幼稚園児用にしても、低すぎる。
なぜだろう??


何かのついでに、ふと、園長先生に

「このてすり、なぜこんな場所にあるんでしょう、まさかキョウダイの赤ちゃん用に、じゃ無いですよね?」

と尋ねたら、


「ああ、それね…

ずうっとまえに、足のよく動かないお子さんがいらしたんですよ。

ハイハイはできるんですよ。

それで、二階にあがるのに、上りやすいように、つけたんですよ。

卒園するころには、上の手すりで 上り下りしてたんじゃなかったかしらね…」

と懐かしそうにされた。

この幼稚園には、知的障害のあるこ?や自閉症のお子さんもいらしたらしいけど、
(ので先生たちは、1をみて、すぐに「自閉症ありますね、軽そうだけど、お母さん、苦労されたかな?」と言われてよくアドバイスをくださった、1も、この幼稚園や先生たちをえらくお気に入りだった、1は自分の幼稚園は追い出されたし、この幼稚園には 通っていないのに。)


私は 自閉症のある子とは どのこかな、どんな補助をされてるかな、と探しても ぜんぜん見つけることが出来なかった。

みんなで縄跳びをしてても、難しい技を得々としてる子もいれば、
飛べないのに にこにこでやり続ける子もいて、
もちろん、やりたくないといって別のことをする子もいて、

どのこも 先生がそのこに合わせて補助してくれていたし、
どの子も同じようにかわいがってもらえていたので、
能力が違っても問題無しという感じだった。
障害があるからといって先生が横に常時付いてるとか、
特別扱いになってるようでもなかったから目立たなかったようで。

子供同士で陰湿ないじめも見なかったし、
子供が列に並べないといっては 親がしかられるようなことも、まったくなかった。

1が、一度、自分の学校が休みで、二の幼稚園のあってる日に、
幼稚園に はいってしまったことがある。

先生は、
「二号のお兄ちゃん。今は、幼稚園の授業中なので、はいって来てはいけないんですよ。
運動会のときには、みに来てね。」

といって うちに「お兄ちゃんが、今幼稚園に見えてますよ」と電話をくださった。

私は ものすごく動転してしまったんだけど、
先生は「お兄ちゃんも わかったみたいなのでいいですよ。妹の幼稚園や先生を、みたくなったんですって。でもダメだったってわかったようで、しきりと謝ってましたよ。もうしないでしょうから大丈夫ですよ。」とにっこり。

「自分の幼稚園では、教室にはいれなくて 引きずっていってたんです、
ここの幼稚園には、呼ばれないのに入ってきましてすみませんでした。」といったら

「あらあら、自閉症でなくとも、教室に、入らない子、よく、いますよ。
そのこにとっては、教室が面白くなかったんですね。あはは。」
ですって。

確かに、年少では、入らない子もないてる子もよくいたけど、
無理強いされてるのは見た事がないけど、
大きくなると、自分からはいって自分から活動していた。



園長先生も退職されたし、

いずれ この低い手すりの話も 誰も知らなくなるだろうと思うので 書いてみました。