障害があってよかった

障害がある子が生まれた=不幸

という 暗黙の了解ってありませんか。

私も、小さいときから 障害がある人を見てきていなかったわけではないけれど、

口にはださねど、(かわいそうだな、自分の子は障害がなければいいな)、と思っていたものでした。

今はそう思っていません。

障害があっても不幸な人、幸せな人がいる。

障害がなくても、幸せな人、不幸な人がいる。

あってもなくても、おんなじことなんだと思います。自分がそう思っているだけですが。


最近聞いた話で、二人、「この子に障害があってよかったと思う」というかたがいらしたので 書いてみます。

一人は、又聞きなのですが、一人っ子が自閉症 というおかあさんで、
毎日、「今日は息子がこんなことを言いました。自分の思いがけなかったことを言うので面白いです。」といううれしそうな報告があるらしい。それを聞く人も楽しみにしている。
あるとき、「あのー、もしこの子が自閉症じゃなければ、
普通だったら、こんな感じ方をしないものなのでしょうか」
と、幼稚園の先生に聞いたらしい。

「そうですね、普通の子ももちろん それぞれ、違うし、
それぞれの、個性はありますが、
彼独特の 強い個性は 自閉症由来だと思いますよ」
との答えに、

「ああ、そうだったんですね。私はこの子が、自閉症で本当によかった。
こんな面白さが 毎日、味わえて わたしは幸せだわ」

といわれたらしい、そのお子さんはもう成人されてるとか。


もう一人は、やっぱり自閉症(知的にも軽くはない)のお子さんのお母さんなんだけど、

「うーん、あの子自身は、苦しいことも多いと思うの。
彼の苦しさを手助けできないことがあるのは 私も、とってもつらい。

でもね、たぶんあの子に障害がなかったら、
私は、エスカレーター式の私立学校目指してたと思う、だってそれが夢だったもん。

で、子どもに、あれが出来ないこれが出来ない、って、悩んでばかりいたと思う。

もちろん、私立が悪いとかじゃないの。
子ども自身を受け入れることは出来なかっただろうなってこと、私自身の問題なの。

自然万歳、生きてるって幸せ、って思えるようになったのは、
彼が障害を持ってたおかげよ。本当にあの子でよかった。

あのこの 発達や成長はうれしいけど、根本から普通になってほしいとか、
治って欲しいとは思わないわね。「障害児、育ててみなよ、いいよ」、って言うと
へんな顔する人もいるし、強がってるという人もいるし、
ウン、と わかってくれる人もいるよ」