ある人が、幼稚園での1号の様子を見て、
「初めてお話しするわね。
あなたのお子さん、自閉症よね?
こんなこといって怒らないでね。私の子も重い自閉症だからよくわかるの。
早く何とかしてあげて。1号君、とても困ってるよ。」
と、言われたとき、
「いや、アスペルガーに似てる、って言われたことはありますが、、、」
「療育手帳は取った?」
「療育手帳って何ですか?障害者手帳みたいなもの?
確かに言葉は遅いけど、それがいるほどのことなんですか?」
「早く取ることね。本をもってきてるからよかったら読んで。」
本を読んでも、正直、1号より大変な様子ばかりが書かれていて、
当てはまらないような気がする。
「症、というからには病気だろう、治るのか」
「これより悪くなっていくのか」
「どう育てれば良いのか」
「いったいどうなるんだ」
とおもった。そのとき、その人が、自閉症専門の施設を教えてくれて、
そこへいった。入れてもらうのが難しく、いい先生がいるらしい。
1号は、その先生にすぐなつき、その施設では良く遊んだ。
遊びながら発達の様子を詳しく見てもらうというもので、
検査と相談に10万円くらい払ったと思う。
結果、「自閉症ではないというよりも 一段階だけ自閉症側にいる。」という紙をもらった。そして、「怖いのは一次的な障害(自閉症)ではありません、
二次的なものが原因で 強度行動障害になったものが最も怖い」といわれた。
そこに通う(療育)のに年間数十万円かかるという。
「療育って何ですか?訓練?」
わたしは、リハビリみたいに通えば直るのかなと思っていた。
「この子はどんな風になるんでしょう。」
「あなたが、これから0歳からやり直すつもりで、うまく育てば、
ここまでの知らずに育てた6年と同じくらいの期間で、
やっとスタート地点に立てるでしょうね」
「学校はどうすればいいんですか、養護学校?」
「どこの学校、学級に行くというのは、重要ではありません。
誰と出会い、どう接するか、です
一番大事なのはお母さんとの関係でしょうね」
まったくわからない、禅問答のようだ。
どうしろと???
「あなたは自分の都合で子供を動かそうとしている。
今 彼は おとなしく従ってるけど 時々、爆発するから あなたを噛むんでしょうね。
あなたは、人の言いなりになってばかりだと、苦しくないですか?
子供の側に立ちなさい。」
こどものがわに、というのを繰り返し言われた。
まだしゃべれない赤ん坊だった、きかん坊の二号も、この先生になつき、
この先生は二号の要求もよく知っていて
二号を笑わせることができた。
こどもの笑い声なんて久しぶりに聞いた。
1号が笑ったのなんて日本に帰ってから見てないし、
二号が もう笑うということすら知らなかった。
わたしも、笑ったりした記憶がない。
アメリカでは ナーサリーに入った半年ほどはもめたが、
帰国するころには特に問題はなかったし、
もし問題があれば話し合いができたのに、
日本では話し合いどころかようちえんで1号がどうしてるかもよくわからなく、先生からは「あれができない」「こうしない」「家で練習させてください」の苦情ばかり言われ、その上自閉症だなんて。