上で見ている人たち


1号は、私の「できなかった話」「叱られた話」がだいすきだ。

「、、、は出来なかったけど、
でもね、別のことは、こんなに出来たんだよ〜」な、話はお嫌いのようで。


ふふん、そういうはなしなら ネタには困らない。

※鼓笛隊の練習で、リコーダーがぜんぜん出来なくて、「あなたは おと出さなくていい、たってふいてる振りしててね」といわれたはなし。

※友達に、いってはいけない一言を言ってしまって、保護者や教師から苦情があり、
父親に殴られて部屋の隅まで飛ばされた話。

※水泳で顔付けが出来なくて、先生に叱られてもできなくて、
毎回仮病で欠席を数年間とおしたはなし。

※旅行先で迷子になって しかられたはなし。

こういうはなしが、すごくすきで、何度も「聞かせて」とせがまれる。

ああ、私の、失敗の多い人生が ここでリサイクルできてうれしいよ。

とうとう、私から聞き出すのに飽きて、彼は自分で言い始めた。

「僕は上で見て居たんだよ。
お母さんが 〜して おじいちゃんに殴られたはなし、、、。
僕は「やめてよ」っていったけど 一緒になってしかられたんだ」

くすくす笑いながら、1号も自分でも うそだってわかっているし、
私も「うそばっかり」といいながら話しに乗ったりする。

上で見てる、というのは、彼が好きな人を亡くしたときに
「上で見てるから、会えないけど、あんたの事は見てくれてるんだよ
あんたが こないだアリをわざと踏み潰したのだって見てるかもよ〜」

という話をしたのを 半信半疑で覚えてるのらしい。


ひどいいじめにあったときも、

「○さんは、ちゃんと、上で見てるだろうか?
いじめた人が悪いって事、見てるのよね?」

と、「上の人たち」が見てるという考えを、
心のよりどころにしていたフシもある。


あ、ところで、学校でやらかした悪事を、
「お母さんも みてたんでしょう?僕が今日〜しちゃったこと。」

というのはやめて欲しい。
私は、「上の人」ではないので、あなたの学校での悪事は、見てません。

((なぜ たまに、1号からは聞かずに、知ってるかというと、
先生が連絡帳にかいてくれたときだけ、知ってるのみです。))