独り言を言う


1号、3号と 小さな医院に行った。
どちらも診察してもらいに。


ここは 新しくできたところで、先日 3号といったときに 感じが良かったので、
自閉症ありの1号でも ここならいけるんじゃなかろうか、と連れて行ったのだ。


1号は、治療器具を一つ一つ説明して使ってくれる、自分に向けて丁寧に接してくれるようなお医者さんになら いける。

そのために これまで電車に乗って 遠い医院に、数時間仕事で行ってたんだけど、
もう3号も暴れる時期だし、なるべく近所で いいお医者さんを探したいのだった。

家で、「診察室では、病気のことを話します。
先生はお友達ではないので、病気に関係ないことで割り込まないでね。
太ってるとかやせてるとか、
年取ってるとか、男か女かわからないとか、そういう失礼なことも言わないでね」
(↑※全部最近やらかしたことなのです)
といい含めてきていた。



順番が来て、全員一緒に診察室に入った。
堂々と1号がいすに座るので、
「3号が先よ」といってどいてもらった。

1号は なんとなく 診察室の中を うろうろして、
「このパソコンは○(メーカー名)かな?ちがうな。」などといっている。

先生は、「そう、あなたはもうパソコンが使えるの・」などと答えてくださるが、
1号はそれは聞いていない。

もちろん先生と私は3号のことで話しをしてるので、

看護婦さんの一人が、ふと、

「おにいちゃん、独り言?」

と なんとなく(とがめるとかではなく)おっしゃった。


ああ、そうか、わたしは聞き流して慣れてるんだけど、
初対面で、こういう場面で、(1号はあまり、その場の雰囲気と自分の行動に関係があると思わない)ふらふら歩きながら、パソコンの話しをしてるのって、奇妙に思われるんだな、そうだよなあ、私だってほかの子がこうしたら、あれっと思うだろうな、と。


1号の診察も、先生がやはり丁寧に 1号に向けてお話されたので、
(わたしは、「この子は障害があります」というのを知らせなかったのですが)
今この場では、特にいう必要がないかな、とおもいつつ。

診察室を出ると、

「俺、今日は、失礼なことを言わなかったね!!

ホントは、ハウスシチューのコマーシャルにでてる人に似てますねって思ったんだけど!言ってないから!」

受付の人が聞こえない振りをしながら
笑いをかみ殺してました。