一ヶ月くらい前から
マイケル=ギルモア著
村上春樹訳「心臓を貫かれて」
を読んでいた。
アメリカで人を二人殺し、自ら望んで死刑執行された兄のことを 弟が書いた本だ。
別の兄もいて、こちらは別の事情で殺されて なくなっている。
もう一人の兄もいるが、この兄は辛抱強く誠実に生きようとするが、
親たちは彼が幸せになるのを実にうまく邪魔する。
兄から両親のこと、祖父母にまでさかのぼって
延々と、どうにもならないこじれた愛憎が…
父は兄たちを恐ろしく殴り、
兄たちは 不良からチンピラ、刑務所行き 戻っても再犯、と転落していく。
結果 なんかみんな壮絶に死んでいく本で。
本は1日で4,5冊ラクに読めるのに、この本はダメだった。
順番にではなく、開いたところから チョコチョコ数ページづつ、読んで行くんだけど、夢に出てきていやだった。
もともと怖いものが苦手な上に、一応事実の話なので、
腰が引ける引ける…
家族写真もいくつも載っており、こんなかわいい赤ん坊だったり
子どもだったのがどうしてこんなことに
…
と思うと怖くてならん。
読んでる途中に (私の)赤ん坊が のしのしと私に乗りかかってきたり、
よじ登ってきたり、
顔をべろべろなめてきたりするので、
生きた心地が戻ってきて ほっとして本を置くんだった。
赤ん坊で生まれたときから悪いやつはいないんだけど、
どこでどうなってそうなるんだろう…
同じ家で 同じように親に虐げられて 社会のルールを破る手本を見せられて育っても、殺人者になったものとなってないものが居るのはなぜだろう…
というのが著者の気持ちらしいが 私もそう思った。
読後の私の結論
☆衝動とか、感情とか、性欲とか愛情とかが強すぎるというのは不幸だ
(生まれつき強い場合もあり、それが環境により増幅される場合もあり、
素質と環境と偶然との複雑な掛け算があると私はおもう)
☆犯罪は 加害者にも、割に合わない(から しないほうがいい)
☆暴力を刷り込むとろくなことにならん=いいお手本が要る
☆教育は重要
☆恨みというものは怖い
うまくかけませんがこんな感じでした
この本を持っとくのは怖いです…読んでみたい人がいたら差し上げます。