いいほうに変わっていってほしいな

たまたま読んでた本が、1929年の世界大恐慌ころのアメリカの話。

「手紙や新聞記事を元に再構成した話」ということだけど、
それ自体が小説的言い回しなのかどうかわからないし、

全部が事実ではないと思うけど、
どういう雰囲気なのかなあと読んでみた。

今をさして、100年に一度の不景気というけれど、
ホントかなあという感じ(今のほうがずいぶんいいんじゃないかという意味で。)。

主人公は白人の夫婦で、だんなさんは会社を経営している。
「黒人をやめさせろ」「あいつらが俺たちの職を奪った」といって、白人労働者たちが社長室にきたり、
挙句の果ては 黒人労働者をリンチにしたりする。
社長は、殺された黒人の分の賃金を払い、殺した白人をやめさせる。


夫婦にかけがえのない友人のひとりは黒人。
お互いの命の危機を救いあった仲。


この黒人は、昔、ある白人女性とひそかに結婚していたのだけども、
おなかの子に黒人の血が入っているということでこうむる不利益
を避けたいがために、
父親はこの子の人生を守りたいために、自らを娘の人生から締め出す。
(子どもは、肌が浅黒いので、スペインの血?と思いつつ成長する。)
そして、(妻以外の)誰にもその事実を話さずになくなった。

その黒人が亡くなったとき、自分たちの家族の墓の横に、とすると、「法律で、黒人はこの共同墓地には埋められない」といわれる。
こっそり、埋葬したら、掘り返される。
そして、「黒人の友人面するヤツ」ということで、この社長もリンチに合い、結果なくなってしまう。





それがたかだか、80年前の話だということに驚いてしまう。

自分たちと同じ人間というあたりまえの扱いをしているだけなのに、
まわりからは ことあるごとに反感や憎しみを買い、

「黒人に われわれのような魂があるとでも思うのかい?」

みたいなせりふが出る。


それから80年後に、
大統領が黒人であり、国民が彼に期待している

という状況が信じられない思いがする。


黒人だからという意味ではないけれど、オバマ大統領に期待しています。

(ブッシュがだいっ嫌いだったからというのはおいといても。
ブッシュに功績があるとすれば、あまりにひどいので次の人にみんなが期待を持てたことくらい?
あと、飛んできた靴をよけたときだけ、「へー、すばやいじゃん」と感心した。感心したのはそれっきり。災いにも、必ずいい面があるんだなあと思う。)