本「妹とバスに乗って」


著者は、障害(軽度の知的障害)のある妹と、バスに乗る。

妹は、運転手と話したいがために、
お気に入りの運転手のシフトと路線を暗記して毎日バスに乗る。

どこかに行くためではなくて、
バスに乗るために乗る。
お姉さんである著者は、休日にそれに一年間付き合う約束をする。


兄弟が知的障害を持つということで、子どものころ味わった思い、
両親の人生、自分と恋人との破局、妹と恋人との愛と性、妹のわがままに関しての暗い感情、周りの差別、障害がある人の自己決定権と、わがままとのジレンマ−−
などが バスの旅の合間に 織り交ぜられている。

仮名だけどほぼ実話らしい。
映画も出来た模様。

著者のウェブサイトあり。http://www.rachelsimon.com/


わたしの感想:

「知的障害を持つ子と一緒に、兄弟として存在する」って言うことは、
親とはまた別の感情なり困難なり、恐れを持つものなんだな、、、。
障害の客観的知識を、兄弟に知らせることも大事かもと思った。

妹は、(行動はともかく)心情的には、自立した1個の人間よ、
やりたくないことはしない、
という性格の持ち主なんだけど、

周り(家族)はそれと衝突し、自分の価値観を押し付けてる
(絶対そうしたほうがいいに決まってるから 妹は従うべき、なんでわからないの、
従わない妹はわがまま」との)から つらくなるんじゃないかな?

この味は、私も1号に感じるときがあるから、
「そうしちゃ駄目だ」、といってるわけではないのですが、、、。

社会に生きる以上、迷惑になりすぎる行為は
本人が理解できる出来ないにかかわらず、やめさせなくてはならないし、、、。


数人の運転手や 妹の恋人は、ありのままの妹を、程よい距離で愛しており、、、
姉は、そうできたらいいのに、と意識しつつ、できない自分にまた悩む。

家族だから、逆に そうすることが、難しいのかも。

ウン、イロイロ考えるヒントになる本でした。