腹壊しても、いい


私がアメリカにいたとき、
最初に声をかけてくれた人の話。

Rさんということにします。

Rさんは、家に呼んでくれた。

子供らが幼稚園にでた、10時に、軽い朝ご飯をゆっくり食べよう、と。
見た目には白人そのものに見えたけど、日本の血が混じってる人なので、
「異国で心細いだろう」と気遣ってくれたらしい。

Rさんは、タマゴサンドをさっと作ってくれて(一緒に作って、といわれて、少し手伝った、手伝うと親しみが増すのを知ってての事だと思う。)一緒に庭で食べた。

私は 家で作った、から揚げを作って持っていった。

、、、

彼女はすごく喜んでくれて、二人で噛み付いて、、、、




中が明らかに生だった。


そのころ、私の家にはガスがなく、電熱器で調理するんだけど、
火力の調節がうまく出来なかった。

急いだのもあって、表面が焦げ気味で、なかがピンクだったんですね。
味見していけばよかったんだけど

「生ね、ゴメンネ、レンジで加熱しよう」といったら、


「でも おいしいわ。私これで お腹いたくなるんだったら
それでハッピーよ」

といって ゴ−ジャスに笑うのでした。


腹壊してもいい、といってくれた人は始めて。

「信用する」ってこうすることか、と思ったのでした。


その後彼女は、家族の写真のいっぱい入った箱を出してきて、

自分のご両親の大恋愛(職を捨てて彼女のお母さんを選んだのだそう)とか、
お父さんが高齢で結婚されたので 思春期(Rさんの高校時代に お父様は70代だったそう)には
それがとっても恥ずかしかったこと、
今は その恥ずかしかったことをはじてること、
などを話してくれた。

Rさんからはいろんなことを学んだ。

というか、Rさんのする(言う)一つ一つのことに
私はいちいち驚き、感心し、憧れたものでした。